山本五十六(やまもといそろく)の残している、有名な言葉がある。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ。」
という言葉がある。これはまさにその通りだと言わざるを得ない言葉。この内容の順番が素晴らしく、天才的な指導者であったことがうかがえる。
山本五十六という人物…
大日本帝国海軍 連合艦隊司令長官。戦死時の階級は海軍大将だが死後に元帥に特進。
欧米の事情にも詳しく、日独伊三国軍事同盟や日米開戦に最後まで反対した人物である。
国力差の冷静な分析、現実的な作戦計画を実施しようとしていた等、日本海軍軍人の中でも傑出した名将として評価され海外においても広く賞賛されている。
企業理念にも通ずる金言
任務に忠実で他人に対しては寛大であったと言われる山本五十六の言葉は、リーダーが部下を育成する上で非常に大事な考え方を体現していると言っても過言ではないだろう。
やってみせ
部下に行動を促すためには、自身がまず手本として実践する【やってみせる】と言うこと。
不慣れな業務内容、作業や技術をやる際には不安がつきもの。
そこでまずはリーダーがどうやるのかを見せることで不安を最小限に抑え、かつ効率の良い方法が身に付きやすいだろう。
言って聞かせて
責任を持って部下に業務を遂行してもらうには、業務の重要性や意義を伝えることが大事。
【なぜ私たちが実施するのか】【この仕事は今後どのように繋がっていくのか】【不注意による災害はどのようなことが起こり得るのか】等の具体的な内容を伝達できるかが重要である。
整備で言えば、【ここをこんな感じでバラしておいて】と言うのと【ここはこんな感じでこういう風にバラせば急に外れないしリスクも減るよ。効率もいいからやってみてね】だと後者の方が部下の不安が減りミスも減るだろう。
させてみせ
これは部下の達成体験を増やす過程である。
しかしこのやり方には工夫が必要である。
部下がやり切れるレベルよりも少し上のレベルの業務を与えることが重要だ。つまりそれは挑戦させること。
なぜなら低いレベルの業務だと退屈でダラダラと遂行してしまうし、逆に高すぎるレベルだと自信を失い意欲まで削がれる可能性があるためだ。
褒める・承認する
部下が指示・要望通りの業務を遂行できた場合はしっかりと褒めること。
意欲的な行動へと導くためには、ポジティブなフィードバックつまり【褒める】ということがとても大事になってくる。
しかし山本五十六は褒めるだけではなく、承認することも大事と言っている。
瞬間的に効果がある【褒める】と持続的に効果がある【認める】という二つの行動を駆使して、部下の行動を促し長期で育成していくというのが大事だ。
今時の若者はなどと言うな!
山本五十六も若い時にはこんなことを言われたらしい。これは私も言われているが、人は変わらないものだなぁとつくづく感じる。
私はこれを言われるのが非常に嫌なので言わないように心がけている。
【結局、そんなことを言われた人間が歳を取ったまで。若者が何をしたかなどではなく、何ができるかとその可能性を発見してやれ】
など他にもたくさんある言葉は、山本五十六という情に熱い人柄を今に残している。
昔に自分が言われたから言っているのか、心の底からそう思っているのかはどうでも良い。
それは口にしないでどうすれば良くなるのか、何が最善なのかを模索し導く指導者になれるように山本五十六という人物の金言を胸に行動していこうと思う。